Chapter.23 治癒
ルカは移動の魔法をかけた。行き先はもちろん呪いの館。
「すみませーん」
いつかと同じように入口に立って呼び掛けた。
「はーい!今行きまぁす」
これまた同じように声が返ってきた。
「いらっしゃぁ…………あんたかよ。」
さっきまで可愛い喋り方をしていたのに、キトは客が誰だかわかると途端に低い声になり、さも嫌そうに眉をしかめた。
「何の用だよ。召集願いならお断わりだぜ?行かないって書いたからな、アンケート。」
キトはフンッと腕を組みながら言った。
「…そうだね。」
ルカは手に持っていた紙を見つめた。確かにそこには“拒否”の二文字が。
「でもコレ、召集じゃないし。」
「は?じゃあ何?」
キトが怪訝な顔をする。ルカはにーっこり笑って言った。
「…回収」
むんずとキトの腰を掴むとルカは移動の魔法をかけた。
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