ルカはサッと手を振った。紙が舞い上がりルカのもとへ集まった。
何を求めているのか、ルカは紙を一瞥しただけで次々と振り落としていく。ネリーも横でその様子を見つめていた。
残りの紙が少なくなった頃、ルカの手が止まった。
「……へぇ、まさかこの人が該当するとは…」
ルカは呟いた。
見つめる紙は薄い青に色付いている。
「…知り合いか?」
ネリーが覗き込んだ。
「えぇ、一応。」
ルカは残りの紙をバサッと投げ捨てた。
「…随分と近くにいたのですね。」
紙が部屋中をハラハラと舞った。
ルカの手に残された一枚。淡い青色の紙に書かれた名前は―
『キト・ラビン』
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