(さて、どうやるのか。お手並み拝見!)
ルカは嬉々として見つめた。ネリーも横にきた。
「…あんなに暴れて。人間界の土はそんなに気に食わないのか」
ネリーが庭を見下ろして呟いた。
「案外、相性いいと思ったんだけどなぁ。あんなに成長するぐらいだし」
ルカも言った。


庭に着いたバレスは剣を引き抜いた。そしてロザリアの制止も聞かず、うごめく巨大植物に斬り掛かった。

「…あの薬草、結構貴重なのに。」
ネリーが眉をしかめた。

「まぁいいじゃない。どうせ、みじん切りにして使うモノなんだし。」
ルカは手摺りに肘をついて面白そうに笑っている。

その時だった。
部屋に一陣の風。
ルカとネリーは振り向いた。

「…お返事、来たみたいだね。」
ルカは風の中、舞い上がる無数の紙を見つめた。
紙はルカが治癒者たちに出したアンケート用紙だった。

パチン。
ルカが指を鳴らすと風は止んだ。ハラハラと紙が床に落ちる。

「さぁて、該当者は何人いるかな。」

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