窓が風もないのにガタガタ鳴り響く。
「地震か!?」
バレスはキョロキョロ見回す。けれど揺れてなどいない。
「ネリーさん、いったい…」
イザベルが問い掛けるがネリーは聞いていなかった。ネリーの全神経は窓の外に向けられていた。窓の外の…悪魔に。

(悪魔防御の魔法が一番に制御不能になったか…)

ルカが普段、城中に張り巡らしている悪魔避けの魔法。それが今、消えようとしていた。

パン…っ。
魔法が途切れた。悪魔がルカ、ネリー、ロザリア目がけて飛んでくる。
ネリーは自身囲うように陣を張った。悪魔は跳ね返される。ロザリアの方も結界が遮っている。ルカに近づく悪魔は…燃えた。
魔法使いは倒れ、意識を失うと、無意識のうちに熱が発せられ、身を守るのだ。ただ、その代わり、他の魔法は総て無効となってしまう。だから魔法使いは、体調の自己管理は人一倍しているのだが………


(あーもう!早く目を覚ませ!ルカ・イヴェール!)
ネリーは陣を維持しながらイライラとしていた。

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