「私…たち?」
ロザリアはぽかぁんとした顔だ。ネリーはポケットから新たなチョークを取り出し、陣を書く。
「…この中に入って。」
書き上げると4人に指示した。結界の魔法陣だ。
(これでどこまで防げるか…)
ネリーは4人が入ったのを確かめると最後の一書きを加える。見えない壁が出来上がった。
「…決してここから出ないように。」
ネリーは念を押すと、振り返る。ルカは意識が朦朧としているようで、魔力が制御しきれていない。渦巻いている…。
ネリーはそれを一瞥すると、部屋中至る所に、書いていく。ありとあらゆる魔法陣を。
魔法陣を使う魔法使いは、戦いが苦手。魔法をすぐかけるということが出来ないからだ。
だから魔法をかける早さがものを言う戦闘では、どうしても他の魔法使いより劣ってしまう。
(まして今、私が応戦しようとしてるのは…類をみない魔力の持ち主…)
ネリーは人知れずため息をつく。そしてこの場に居合わせてしまった自分の運の悪さを呪った。
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