「…あの、ネリーさん?ルカさんはどうなさったの?」
イザベルが背後から恐る恐る声をかける。
ネリーは振り向いてイザベルをじーっと見つめる。ネリーが即答しないので、不安になったロザリアが口走る。
「まさか…何か悪い呪いを受けてしまったとか!?」
ほっぺたを両手で挟んでオロオロし始める。今度はロザリアに視線を移したネリーはゆっくりと告げた。

「…ただの発熱だ。」


「…発…熱ぅ!?」
バレスが素っ頓狂な声を上げた。

「…魔法の使い過ぎによるオーバーヒートだ。しばらく休めば治まる。ただ…」

「ただ?」
ロザリアがネリーに続きを促す。
「…危ない。」
ネリーがぽつりと言う。

「危ない!?それってやっぱりルカさんは危険な状態と言うことですか!?」
ロザリアが慌てて聞く。

「…いや、ルカではない。…私たちが、だ。」

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