…予定では姫二人が起き、事情を説明するはずだった。
「…ルカさん?あら、私いったい…?」
なのに、目を開けたのはイザベルだけだった。

(……寝起きの悪さって関係するんだっけ?)
ルカはロザリアの寝顔を見下ろして考える。するとネリーが後ろから声をかけた。

「…その姫には魔法をかけていない。…頭をぶつけて気絶した。」

「えぇ?面倒臭いなぁ…」
ルカはネリーの言葉に思わず口走る。

(普通に気絶したんじゃ対魔法かけたって効かないのよね…)

ルカはロザリアが横たわるベッドに乗り上がる(おいっ!とバレスが抗議の声を上げたが無視)。枕元まで這っていき、肩を叩いて囁く。

「ロザリア様ー、起きて下さーい。」
…ピクリともしない。

「ロザリア様ー、衝撃の魔法かけちゃいますよー。痛いですよー。良いんですかー?」
…やっぱり動かない。

「私、予告しましたからねー」
と、気絶した人間相手に無意味な断りを入れてからルカは衝撃の魔法をかけた。

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