ネリーがルカの隣に並んだ。
「…家族を集めてほしいと言っている…」
ネリーはボソッと呟いた。ルカは真っすぐ前を見つめたまま黙っている。表情も変えない。けれど、しばらくした後、ルカはス…ッと手を出した。
「協力…していただけますね?」

ルカの問いにネリーは無言で手を取った。

フ…ッ。

二人は消えた。

「!?」
後をついて来ていたバレスは辺りをブンブン見回す。けれど二人の姿はどこにもなかった。




ロザリアの部屋の前ではイザベルとシークが扉をノックし続けていた。
「ロザリアー?いい加減機嫌直して下さいな。」

「ロザリアちゃん、ごめんね。でも僕はベルと別れる気は…」

ガンっ。
シークの言葉は扉を蹴る音で遮られた。

「まぁたっく!ロザ!私、帰りますからねっ!」
怒ったイザベルはきびすをかえす。すると目の前にはルカが立っていた。

「あら、ルカさ…」

トサ…ッ。
ロザリアはルカの腕の中に倒れた。

「ベル!?」
シークは駆け寄ろうとした。が、何かに阻まれてそれ以上進むことが出来ない。
「いったい…!?」
シークは困惑げな顔でルカを見つめた。

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