ルカはネリーを連れてロザリアの部屋へ向かうことにした。バレスもついてくる。
『なあっ』
バレスがルカの隣にやってきて囁く。
『こいつの用って何なんだ?』
バレスはネリーの様子を伺いながらヒソヒソと言う。
『お前が関わるとろくな事ないからな。姫のお心を乱すような事じゃないだろうな?』
ルカはその問いに
「…私が関わるとろくな事にならないと言うのなら、今回もそうなのでしょう。」
とだけ言った。
バレスは立ち止まっておいっ!と抗議したが、ルカはすたすた歩いていってしまう。
「…ここには」
いつのまにかバレスの真後ろに来ていたネリーが言う。
「…第一王女はいるのか。」

「……。」
あんまり近くにネリーが来ていたため、バレスは驚いてとっさに答えることが出来ない。
数メートル先を歩き続けるルカが、固まってしまったバレスに代わって答える。
「…いらっしゃいますよ。まだ王宮内に気配がありますから。ちょうど、姫の部屋の前に。」

「…そうか。」
ネリーも固まったバレスをスー…と通り過ぎて進んでいった。

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