「何言って…。死者を甦らすのは禁じられているわ。最大の禁忌よ!」
ルカは声を荒げた。
「…大きな声を出さないで。」
ネリーは眉をひそめた。
「…死者を生き返らせてるわけじゃない。魂を人に見える形にして喚びだしてるだけ。」
ネリーは黒いスカートの裾を翻しながら部屋をでた。ルカは後を追いながら聞く。
「何故そんな事を?生者は死者の世界に関わってはいけない…だから誰も死後の世界を知らないのに。あなたのしてる事は死後の秘密を暴くようなことよ…!」
ルカは必死になって説得する。廊下の真ん中、ネリーが足を止めた。
「だって聞こえる!」
ネリーは振り向きざま叫んだ。今にも泣きだしそうな顔で。
「死者達の声が!後悔に泣き叫ぶ姿が見えるから…!」
< 77 >
[1]次へ
[2]戻る
[0]目次
Tag!小説
トホーム