移動の魔法で着いた先。一人の女が立っていた。
「…ようこそ。ルカ・イヴェール。」
女が静かな声で言った。

「…何の用です?あんな風送り込んできて。」
ルカは服に着いた埃を払いながら冷たい声で聞いた。

ネリー・マラドール。
ルカの魔法学校時代のクラスメイトである。とは言ってもこれといって仲良かったわけでもない。むしろ、話したことも数える程しかない。そんな彼女が一体、何の用があってルカを強制的に連れ出したのか。

(第一、何故こんな所に?まだ魔法学校に通ってるはずじゃ…。)
ルカが考えていると、ルカの心を読んだのだろう、ネリーが応えた。

「…学校は辞めた。私はここで暮らしている。」
相変わらず、淡々とした感情の籠もってない、静かな声だ。

「…そしてここで死者の召喚を行なっている。」

「!?」
ネリーの言葉にルカは顔色を変えた。

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