Chapter.17 級友

大広間。
殺気立ったロザリアとのほほん笑顔のシークという対照的な二人がチェスボードを挟んで向かい合っていた。周りは騒ぎを聞き付けた使用人達でいっぱいである。

「なんとまあ無鉄砲なことを…」
バレスが呆れ顔で呟いた。

「無鉄砲だからこそ面白いんじゃないですか!」
バレスの隣、ルカがうきうきとした様子で言った。

「!」
まさに今、対戦が始まろうという時、一陣の風が吹いた。
なんてことはない、開け放した窓から風が吹き込んだだけのこと。しかしルカは察知した。
(これは…!)

「魔法使い?」
バレスの問い掛けるの声がした。けれどルカには聞こえていなかった。ルカはもうすでに移動の魔法で消えていた。

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