バターン!
ロザリアが勢い良く王様の執務室の扉を開けた。
「シーク・マクロー!姉様は帰さなくってよ!帰してほしくば私と勝負なさい!」
ロザリアは高々と宣言した。

「ロザリア!何を申しておるのじゃ!」
王様が咎めた。が、お姫様は聞く耳もたない。

「チェスで勝負よ!私、チェスはいささか得意ですの!」
…一方的である。
けれどシーク・マクロー、人が出来たものでロザリアのひどい勝負宣言にも動じる事無く応じた。
「わかりました。お受け致します。一度、ロザリアちゃんとはきちんと話をしなければと思ってたしね。」
にっこりと笑顔だ。
その笑顔はロザリアの気に触ったようで…
「ちゃん付けで呼ばないで下さる!?無礼ですわ!」
自らの無礼を棚に上げてロザリアは喚いた。

(あらあら!シスコン丸出しじゃない!姫様ったら!)
執務室のドアの外、ルカはさも愉快そうな笑みを浮かべていた。
「うふふふふ…!」
廊下にルカの笑いが響く。

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