Chapter.16 シスコン☆

「ベル!」
眼鏡を掛けた優しそうな男が呼び掛けた。その人が大広間にやってきたのは、イザベルがきて四日目の朝だった。

「いったい何が気に入らないんだい?この置き手紙ではわからないよ…」
男は少し疲れたように言いながら、ヒラヒラと紙きれを振った。
「何がですって!?シーク・マクロー、あなたの態度です!」
イザベルが言い返した。

ルカはその時、イザベルと共に朝食を取っていた(バレスは未だ夢の中のロザリアを叩き起こしに行っていた)。
ルカは連日連夜続いていた舌戦にウンザリし始めていた。だからルカにとって、朝の、ロザリアが寝ている時間は、まさに“至福の時”だったのに、今日はそれすらも叶わぬ夢のようだ。

(あぁ…うるさい…)

ルカは不機嫌にコーヒーをすすった。

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