『お二人は昔から仲が悪かったのですか?』
ルカがひそひそと聞き返した。
『昔は仲良かったんだよ。歳が離れてるからイザベル様が可愛がってて。』
バレスは指を9本立てて『九つ違い』とささやいた。

『姫も懐いてたし。だけどイザベル様が結婚なさってからは姫は反発してばかり。大事なお姉様を取られちゃったのがよっぽど気に食わなかったらしい。』
フゥッとバレスはため息をついた。

『第一王女だから、嫁ぐなんてダメだって、王が止めたんだが…。ゴーイング・マイ・ウェイな人だからな、反対押し切ってゴールイン…』
そこで言葉をとぎらせるとバレスとルカはまだ言いあってる二人を見つめた。

「まぁ!そんなこと言うならあなただって同じではないですか!」

「私は姉様ほどひどくはありませんでしたわ!」

わーわー!ガーガー!
二人の言い争いはお茶が完璧に冷め、ルカがうとうとし始める頃まで終わらなかった。

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