「結局あなたは私のことなんてそんなに好きじゃないのよ!」
イザベルが叫んだ。
「なんでそうなるんだい?愛してるに決まってるでしょう!」
シークが叫び返した。
「シーク…!」
「ベル…っ」
二人は抱き締めあった。

(なんだ?この三流昼メロ的展開…)
ルカは白けた顔つきでトーストをかじった。


「では私は帰り支度をして参りますね」
イザベルはうきうきと言った。

「では僕は王様に挨拶を。」
二人は揃って大広間を出ていった。

(嵐が去った…!)とルカが思ったのも束の間、寝起きで機嫌最悪のロザリアが入ってきた。
むっすーとして見るからに不機嫌である。

(触らぬ神に祟りなし。)と朝食を切り上げて出ていこうとするルカをロザリアが引き留めた。

「…姉様は。」
低音で唸るような声である。
「えぇーと、旦那様が迎えに来られて帰り支度をー…」
ルカは微妙に視線を外しながら話した。
「…何ですって。」
ロザリアの目がキラリと不気味な光を発した。

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