「イザベル・マクロー。ルーファス家の“元”第一王女です。」

そう言うイザベルの姿は高貴な、いかにも王族!という感じだった。次の瞬間にはそんな気品、綺麗さっぱり消え去ったが。

「今は町医者のシーク・マクローの美人妻よ。ラブラブ結婚7年目っ!」
イザベルはルカに嬉しそうに笑顔で告げた。
(美人妻って…自分で言うか?普通…)
ルカは呆れた顔になりそうなのを必死で堪えた。

「何がラブラブですか。月に一度は、喧嘩したーって帰ってくるくせに。」
ロザリアが冷たく言う。
「あら。喧嘩しても別れないがラブラブな証拠よ。」
イザベルが言い返す。
「だったら帰って来ないでくださるっ?」
ロザリアがフンッと鼻息も荒く言う。
「まぁぁあ!」
イザベルが叫ぶ。
またも始まった姉妹の舌戦をあっけにとられながら見つめているルカにバレスが小声で告げる。
『この二人いつもこうなんだよ…。』
やれやれとバレスは首を振った。

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