「…姉様。今度は何です?夫婦喧嘩の愚痴なら聴きませんよ。」
ロザリアが金髪美人の腕をほどきながら言う。
「なによぅ。冷たぁい。折角会いにきたのに相変らずつれないわね。」

「来てほしいなんて一度も言ったことないですが。」
ロザリアはそう言いながらつんとすましてお茶を飲んだ。
「ひっどー!!」
金髪美人がわめいた。
「普通姉に対してそんなこと言う!?……ってどちら様?」
ルカにようやく気付いた金髪美人は問い掛けた。二人のやり取りをぼんやり眺めていたルカは急に話がきてビクッとした。
「ルカ・イヴェールと申します。王宮付き魔法使いとして雇っていただいております。」
ルカは軽く頭を下げながら名乗った。
「へぇ!魔法使い!珍しいわねぇー」
金髪美女はそう言いながらジロジロと顔を近付けて無遠慮に眺めた。
「姉様!」
それをロザリアが咎めた。
「あぁ、失礼。つい。…っと!聞いたんだから私も名乗るべきね!」
金髪女はすくっと真直ぐに立った。

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