「本気で言ったんだけどな」

ちょっと遡ってロザリアが扉に触れた直後、バレスが呟いた。

(俺は王位とかよりも、姫の心を大事にしたいから…姫が辛い思いをなさるなら無理に受け容れなくてもって思うんだ。俺って……)

「従者失格ですね!」
ルカが言った。

「うぉ!?なんだよ!俺の心読んだのか!?」
バレスは今、まさに自分が考えていた事を言われてかなり動揺した。

「魔法使えないのにどう読むんです?読まなくてもあなたの考えてる事はわかります。」
「単純ですから」と言う言葉をルカは言わないでおくことにした。

「あ゙ー。でも本当従者失格だよ…俺。姫に一国の主にはなってほしくないって思ってる…。姫が遠い人になってしまいそうで…」

(今も遠い人だけど…)
バレスはため息をついた。

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