Chapter.13 君が居てくれるなら

その後もロザリアは次々と扉を消していった。そして、ついに―…

「これで最後ですね…。」
ロザリアは扉を見つめながら呟いた。

(たぶん、この中にあるのは…)
思わず手が震える。

「姫。」
バレスの呼び掛けにロザリアは振り返った。

「たとえ、心の中をさ迷うことになっても俺は傍にいますよ。」
バレスが微笑んで言う。

ロザリアは

「えっ縁起でもないことを言うんじゃありませんっ」と言うとプイッと扉に向き直ってしまった。

(バレスは時々、私がほしい言葉をくれる…。ほっ本当に時々だけどっ。)


ロザリアは気持ちを落ち着けるため、深呼吸した。そして扉に手を伸ばす。その手は先程よりもしっかりとしていた。

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