……なんて、シリアスな雰囲気は長くは続かない。

「うおぉー!」
バレスのバカ声でルカは現実に引き戻された。

「なんですか?急に叫ばないで下さい。」
ルカは不機嫌に言った。

「扉が消えたんだよっ!見てなかったのか?」
バレスが聞く。その横でロザリアは荒い息を整えていた。ルカはため息をついて言う。

「見ていました。けれど叫ぶ程の事ではないでしょう。まだまだ扉はたくさんあります。」

「なんだよ。やる気なくすようなこと言うなや。」
バレスが少しむくれて言う。

「ルカさんの言う通りですよ、バレス。あなたはいつも少しはしゃぎ過ぎです。」
落ち着いたロザリアがバレスを諫めた。
バレスはしゅんとした。

「さぁ、次!行きますよ!」
ロザリアが意気込んで言う。

そんなロザリアを見て
(人間て、やっぱり不思議…)とルカは思うのだった。

< 58 >

[1]次へ
[2]戻る

[0]目次

Tag!小説


トホーム