……なんて、シリアスな雰囲気は長くは続かない。
「うおぉー!」
バレスのバカ声でルカは現実に引き戻された。
「なんですか?急に叫ばないで下さい。」
ルカは不機嫌に言った。
「扉が消えたんだよっ!見てなかったのか?」
バレスが聞く。その横でロザリアは荒い息を整えていた。ルカはため息をついて言う。
「見ていました。けれど叫ぶ程の事ではないでしょう。まだまだ扉はたくさんあります。」
「なんだよ。やる気なくすようなこと言うなや。」
バレスが少しむくれて言う。
「ルカさんの言う通りですよ、バレス。あなたはいつも少しはしゃぎ過ぎです。」
落ち着いたロザリアがバレスを諫めた。
バレスはしゅんとした。
「さぁ、次!行きますよ!」
ロザリアが意気込んで言う。
そんなロザリアを見て
(人間て、やっぱり不思議…)とルカは思うのだった。
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