Chapter.10 心の旅へ
ルカはバレスと共にロザリアの部屋へやってきた。ロザリアは依然として眠り続けている。
「……おい。何やってんだ?魔法使い。」
ルカは床にべっとりと這いつくばっている。
「見て判りませんか?魔法陣書いてるんです。」
ルカは見向きもせずに答える。
「魔法陣?そんな魔法のかけ方もあるのか。」
「えぇ。私は専門じゃないですけど。私、旅の魔法って使ったことないですし、ましてヒトにかけたこともないので、こっちの方が安全かと。」
ルカはチョークを走らせ続ける。
「使ったことがない!?それって大丈夫なのかよ!?しかも専門じゃないヤツでやるのか!?」
バレスは慌てた。が、ルカはアバウトだった。
「大丈夫ですよ、たぶん。」
ルカは言いながら立ち上がる。
「たぶんって、おい!」
「うん。こんな感じだった。」
ルカは一人、書き上げた魔法陣を眺めて言った。バレスは無視した。
「さぁ。始めよう。」
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