ルカは考えを巡らせながら話した。
「記憶の隠蔽という手もありますが…治療魔法と同じで永久的なモノではありませんし、魔力が残ります…。やはり、旅が一番良い方法かと…。」
ルカは王様とバレスの顔を伺う。二人は顔をしかめて黙り込んでいる。

(それもそうか。大事な一国のお姫様だし。
…人間が旅の魔法使ったことないのは黙っておこう。)
ルカは一人考えていた。


それからしばらくたって…

「仕方あるまい。ロザリアに旅をさせよう」と王が言った。
「王様!」
バレスが反論しかけたが、王はそれを遮った。
「ロザリアはいずれこの国を治める存在じゃ。あの子には強くなってもらわねば…」

王はルカを見た。
「ルカ殿。どうかあの子を助けてやってくれ。」

「私に出来る限りのことをいたすつもりです。」
ルカは膝をおって軽く礼をした。

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