「魔法使い?何してんだ、こんな朝早く。」
ルカが中庭横の通路を通りかかった時、声を掛けられた。バレスだ。
「そんな格好で歩き回るなよ。夢遊病か?」
ルカが何か言うより早くバレスが笑いながら言った。
ルカは自分が寝巻きのままなのを思い出した。
「これは急いでいて…それより!ロザリア様です!」
ルカは赤面しながら言った。
「姫?姫に何かあったのか?」

ルカは手短に説明した。どうせまた王様の前で話すのだ。詳しくはその時でいい。
「わかった。すぐ王様のもとへ!」
バレスは手に持っていた剣をしまうと、通路を走り抜けていった。ルカも後に続いた。

(というか…王様に会うのにこんな格好でいいのだろうか……)
ルカは走りながら思う。

ルカは寝巻き、バレスは汗びっしょりのランニングシャツに短パンという出で立ちだった。

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