Chapter.8 キレた!!

「ロザリア様!」
ルカがロザリアの部屋に辿り着いたとき、部屋はカーテンが閉めきられ薄暗かった。ロザリアは暗示にかけられたかのように虚ろな目をしていた。
「まぁ…ルカさん…御覧になって…私の母様よ…」
そう言ってほほえむロザリアが指し示した人。
(やっぱり…!)
ルカには本当の姿が見えていた。
(吸血鬼…っ)

「久しぶりだな、魔法使い。この間はおまえを食べ損ねたからね。今日こそはと思って来たんだが…いい獲物を見つけたよ。ヒヒヒ。」
吸血鬼がルカに話し掛ける。「簡単だったよ、この娘。過去の記憶をちょっと見せてやったらあっという間に私を受け入れた…ヒヒヒヒヒ。」吸血鬼は続ける。ルカは眉をひそめる。
「最高だねぇ、王族の血は。それに微かに魔力の味もする…ヒャヒャヒャ」
吸血鬼が高笑いした。ルカは吸血鬼に魔法をかけた。拘束の魔法を。それはもう物凄い険悪な顔で。

< 39 >

[1]次へ
[2]戻る

[0]目次

Tag!小説


トホーム