ロザリアは窓に額を張りつけてぼんやりと空が明るくなるのを眺めていた。

思い出した…
5歳の誕生日、母様のことを聞いて、自分が生きてることに嫌悪感を抱いた。私が殺したとまで思い込んで自分を責めた。
だけどまだ小さかった私はそれに耐えれる程強くなくて…蓋をした。自分で自分に暗示をかけた。

私に母様なんていなかった私は母様なんて知らない…

コンコン。ドアがノックされる音がした。
「…はい。」
誰だろう。こんな朝早く。バレスはまだ中庭にいるはずだ。窓から剣を振っているのが見えた。

ドアが開く。
そこに立っていたのはまさに今思いを馳せていた人物で…っ

「かあ…さま…!?」


がたっ。
同じ頃、自室で寝ていたルカは瞬時に目覚めると寝巻きのまま部屋を飛び出していった。

(いったいどこから……!)

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