…つまりこういう事である。王は兵士達の最近の行動が気になっていた。町の者達から苦情が寄せられている。だからルカに頼み、演技をしてもらったのだ。己の感情を取るか、王の命令を取るかを見極めようとしたのだ。

「信じられないっ。」
次の日。王から事のあらましを聞いたロザリアは叫んだ。
「まさか父様が頼んでいたなんて!すみません、ルカさん。私、とても失礼な事を…。」ロザリアは頭を下げて謝った。
「いいえ、構いません。そのように思わせるのが私の役目でしたので。それにどちらにしろ、魔法使いは人間の争いに関わってはいけない決まりなので、協力出来ないことには変わりありません。」ルカは言った。
「まぁ何はともあれ、争いはしないに限る!」
バレスがカッコウつけて言った。
「何を偉そうに言っているのです、バレス。あなた、今回笑っていただけではありませんか!」
ロザリアが突っ込む。
「たまには俺だって格好付けてもいいじゃないですか〜。」
バレスが情けない口調で言った。ルカは笑った。


穏やかな日々。

(これからも続きますように…。)ロザリアは祈った。

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