「それにこれは戦争を起こすほどのことではありませんよ。薬を煎じればすぐにお治しして差し上げられます。」
そう言うとルカはドアに向かって歩きだす。兵士達は道をあけたが、視線は険悪なものだった。ドアまで辿り着くと、振り返ってルカは言った。
「私が気に入らないならどうぞご自由に闇討ちでもなんでもしてくださって結構ですので。…王様!」
ルカは王様の方を向く。
「薬は2時間ほどで出来上がりますのでしばしそのままで。」
そう言うとルカは大広間を出ていった。残された者達の話し声が廊下まで響いていた。
(今日はエキサイティングな一日ね。)
少し口の端を釣り上げた。(今夜あたり、楽しみだわ…)
ルカは廊下を進む。一体何人の兵士が挑発に乗ってくるのかと考えながら。
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