「聞きたいこと聞いてないけどまぁいいや。」
ルカは壊れた窓枠に手をかける。
「なかなかスリリングで楽しかったよ。窓は直しておくね。お邪魔しましたー。」
そう言って飛び降りた。キトが駆け寄った時にはもう、戸がきっちりと閉められた窓に戻っていて、外を見ることは出来なかった。  

「あっぶなかったぁ。」
館から出て、町近くまで来た頃、ルカはつぶやいた。
(太陽が出てなかったら、ヤバかったわ。)
ルカがそんなふうに考えていると町の人達の話し声が聴こえてきた。

―さっき爆発音が…
―呪いの館から叫び声…
―誰かまたさらわれたんじゃ…

(呪いの館…ね。)

『僕が迎えに行くんだ』
『今では人間でさえ近寄らない』

そんな言葉を思い出しながら、ルカは本日四度目の移動の魔法をかけた。

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