ルカが話し終えるとスエラは
「それは…時の人なのでしょう。そのナイトが。」
「時の人?」ルカは聞く。  「あぁ、あなたは占い学の授業でいっつも夢占いをしようとしていましたからね。知らないでしょう。」
スエラが皮肉る。スエラは占い学の先生だったが、ルカは授業中いつも寝ていたのだ。ルカは先のことは分からないほうがワクワクしていい!と言う考えだったので占い学には興味がなかった。

「時の人とは運命を変える力を持つ人間のこと。時を操る神クロノスの化身とも言われています。めったにいません。あなたの魔法よりも珍しいものです。それに人間ですから余計気付きにくいです。」
ルカは考えながら問う。
「それは時の人が運命を変えようと思ってしているのでしょうか?それとも無意識に?」
「おそらく無意識でしょう。人間がこの力に気付くことはありませんから。…本人に言ってはいけませんよ。力を悪用することもありえますからね。知らないほうが良いのです。」

ルカはスエラに礼を言うと円を閉じた。
(時の人…。バレスがね…。)

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