「あ…いや……あなたにキレたわけではなくて…。なれない敬語を使っていたのでイラっときただけです。私の方こそすみません」ルカは冷静さを取り戻した。
「ならば、使わなければ良いのです。普通に話していただいて構いませんのよ。」ロザリアが微笑みながら言った。
ルカはテーブルを見つめた。こぼれた紅茶が拭き取られていく。それと同時に口を開いた。今度は敬語ではなく普通の口調で。
「予知夢はいつから見るようになった?怪我をしてすぐ?それとも最近?」
「怪我してすぐですね。でもこんなにひどくはなかったです。今ほど規模が大きくなかったですし…。」
ロザリアは伏し目がちに答えた。ルカは少し戸惑いながらも思い切って尋ねた。
「……ねぇ、夢って具体的にどんなのを見るの?」
「……様々です。誰が尋ねて来るというようなモノから人の死を予期するモノまで…。」
「自分自身の未来が分かるようなのはないの?」
「ありますよ。でも当たらないのです。」
「当たらない?」

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