「姫いつからそこへ…!?」
バレスは慌てふためく。ロザリアは部屋へ入ってきた。
「予知夢の原因を話している頃ですよ。」
ロザリアの代わりにルカが答えた。
「おまえ気付いて…っ!」
「私は魔力を感知することが出来ますから。」
ルカはまた紅茶を飲む。
「いつまでも隠し通せるものではないですよ。この方はご自分の状況を知るべきです。」
「状況…?」ロザリアが呟く。 「私だって自分が痩せてきたことくらい分かっていますっ。」ロザリアは怒ったように言う。
「それだけじゃありませんよ」ルカは窓に手を向けた。窓は一瞬輝くと黒い奇妙な物体がぶつかってくるのが見えた。
「…悪魔です。あなたの魔力を狙っています。」
「あ…くま…?」
ロザリアとバレスは魅入られたように窓を見つめている。(無理もない…)とルカは思った。
(悪魔なんて人間は見ることは無いんだから…。)
ルカは魔法を解いた。二人の目にはもう映らないだろう。だがルカにははっきりと窓を通過しようと躍起になっている悪魔の姿が見えていた。
(こんだけの悪魔が来ていてよく今まで無事だったわね…。でもこれで面白くなりそう…不謹慎だけど。)とルカは思った。

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