手をかざしたり、目で見つめるだけで自由に魔法がかけられるのはとても楽だが一方で相当な精神力が必要になる。このタイプの魔法使いの魔力は心と密接に関わり合っているからだ。だからルカは魔法学校での1年を感情のコントロールに費やした。その結果ルカは正しく魔法をかけれるようになり、卒業試験を受けるに至ったのである。


「ミス・イヴェール。卒業にあたっての決まりごとは知っていますか?」スエラの問い掛けにルカはうなずいて答える。
「はい。特別な力を手に入れるには、代わりに何かを手放さなければならない…。」
「そうです。手に入れる魔力と相応なものを、魔法を使い続ける間ずっと続くものを差し出さなければなりません。」

(今までに卒業して行った先輩達は<魔法を使う限りずっと髪がのびない>とか<誰からも姿が見えない>とかだったらしいけど…私は魔力が強い方だからそんなのじゃダメなんだろうな。……………………よしっ。決めた!)

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