その日の夜不思議な出来事があった。夜お墓参りから帰える途中ある丘に立ち寄った。満月がもっと良く見える場所に行きたかったのだ。満月を見ているとき後ろから気配を感じ振り返った。後ろを振り向くとそこには村長がいた。
「村長ここでなにしてるんです?」
村長はにっこりしながら答えた。
「満月がもっとよくみたくてね。ここまで来て見たんだよ」
村長はエイルに向き直った。
「この村、気に入っているかい?」
エイルは笑いながら答える。
「はい。きにいっていますよ。こんなに優しい人達がいる村他にないと思いますよ」
村長はあごの伸びているひげをなでながら目を細め言う。
「私も気に入っているよ。みんな仲がいい。小さい村ながらにこうしてやって行けるのはみんなが協力しているからだろうね」
エイルは村長の笑っている顔が好きだった。とても優しい笑顔なのだ。
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