私は声が出なかった。木村君に対しては何も怒る気にはならなかった。

「…それ聞いて俺、どう思ったと思う?」そんなのこっちが聞きたい…



「すげー嬉しかったんだ」

木崎は私を見ずに天井をぼーっと眺めていた。
…っずっ
私が鼻をすすると驚いたのかやっと隣を見た。
「おい、泣くなよ。おまえ強気な黒猫だろ?」木崎の言葉に私は涙でぐちゃぐちゃなまま笑った。
「…うん」
「じゃ。今日からおまえは俺の親友辞めて彼女って事で。後悔ねぇな?」
「…うん」私は小さく呟いた。
「もっと明るく?」
「…うんっ♪」

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