木崎はいつものように茶化す事もなく黙って聞いていた。それから先を促すような目をした。
それでも私が黙っていると、
「言いたい事はだいたい分かった」
と告げた。

私は恐くなって目をきゅっと瞑った。返事が…恐い。今待っている一秒一秒が長い。

「…俺、知ってた。ごめん。木村から聞いてたんだ」私が目を見開いたので木崎は弁解した。
「あ、でもあいつを責めるなよ。俺が聞いたんだ。あいつとおまえがメールしてんの知って『俺、伊崎の何なのかな』って。したら『木崎、鈍すぎだな』って言われたわけ」

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