私の周りには数多くの『?』が飛び交った。
「何を始めるの?さっきから意味がよく分からないんですけど…」
木崎はこっちを見て穏やかに笑った。
そしてピアノに向き合う。
(笑顔で無視ですか…)
私は内心むっとした。
〜…♪
(え…)
いきなり響き渡った音色。木崎が作り出す音楽の世界。
(ってこの曲…)
「何呆けてんだよ?意味、分かるだろ。弾いてよ?」
木崎は私を見つめながらそのまま告げる。
鍵盤を見なくても…やっぱ弾けるんだね。
私は笑みをこぼした。
そして弓を上げる。
去年弾いたリデスを弾くために。
< 114 >
[1]次へ
[2]戻る
[0]目次
Tag!小説
トホーム