小さな部屋に響きわたる思い出の曲。

弾き終わると私はかなり嬉しさでいっぱいだった。自然と満面の笑みを浮かべる。

「ねぇ、どうしたの?この曲」
私は木崎の後ろから楽譜を覗き込む。
「うちの先生に書き上げてもらったんだよ。一回おまえと弾いてみたかったんだ。てか一年前の曲なのにあんまり忘れてないんだな」

(そりゃあ…初めてのソロの思い出の曲だもん)
私は部屋の隅にあるソファに座った。

そして告げる。

「うれしいよ。ありがとう」

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