私は思わず聞き間違えたのかと思った…

が、どうやらそうではないらしい。

「な、準備室とか行きたくない?あ。ちょっと待ってて楽譜取ってくっから」
「ちょっと待ってよ…って聞いてないし」

(しかも何で楽譜なのよ…)
去っていく木崎の背中を眺めながらこのノリにいまいちついていけない事を実感した。

戻ってきた木崎は私が今まで見たことのない楽譜を手にしていた。もちろん今日の演奏の曲でもない。

「その楽譜、何?」

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