今度は何があったって言うんだろう…
私の気持ちなんて全く分かっていない木崎の顔が恨めしい。
ふと隣にいた木村君の声が私の耳元まで降りてきた。
「…お互い、がんばろうね」
『お互い』って…
私は何て答えたらいいか分からなかった。
「何おまえ、ぼけっとしてんの?…ってか、こいつ!」まゆを指さして木崎はまた悪夢を思い出したように喚いた。
「めっちゃわがまま言うんだよ!自販機に午後の紅茶のレモンがねぇっつってコンビニまで行ったんだぜ?」
「いいじゃん!飲みたかったんだもん」
まゆらしい。私はふっと微笑んだ。
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