だいぶ暗くなった夜空を見上げながら木村君は続けた。
東の空の天の川を眺めながら言う彼の茶色い瞳は星屑のようだった。
「今日もなんだ。抵抗してたあいつ連れてきたのだって、そういう理由」
こっちを見てにこっと笑う彼はとても綺麗だった。大きな目が私を見つめる。
「…大切なんだ。さくらちゃんの事。君のお兄さんに話を聞いてた時から気になってた。だから文化祭で会えた時はすごくうれしかった。俺が頑張って話しかけてもほぼシカトだったけどね」
木村君はくくっと笑ってそう言った。

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