「…その子が、木崎の彼女って、知ってるの」
私はゆっくりとそして丁寧に言葉を紡ぐ。

後ろで聞こえる波音がやけに響いて聞こえた。
静寂を破ったのは、まゆの声だった。

「さーくーらぁー!遅れてごめん〜っ」まゆが口に手を当てて大声で呼びかけながら走ってきた。

腕にはめてる時計を見ると約束の時刻を2分だけ過ぎていた。
(謝る必要ないのに)
私はふっと笑った。
その横で木村君は口を開きかけたがすぐに閉じたのが分かった。

「あっ木村君?ほぼ初めまして♪松岡麻優香です」やっと隣まで着いたまゆが頭をぺこりと下げる。

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