「そっか」

私の言葉に木村君はどこか曖昧に笑って見せた。

それから文化祭の時の話になってふとあの子の話になった気がした。
「隣のクラスはね、お化け屋敷してたんだ。でさ。雪女してた篠原と新城って女子と狼男してた神内って男子が本気でやっててすごかったよ。恐ろしいの通り越しててかなり可笑しかった。あ、見に行った?」
「ううん」ゆっくりと首を振る。
(新城…ってもしかして)
「あの!その人って、新城桜子さん?」

木村君のいつもの優しげな表情が一瞬だけ固まったように思えた。

「なんで、知ってるの?」

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