ふと壁に掛けてある時計に目をやるともう6時5分前だった。
「やば!私、6時から塾…っ」
私は慌ててバックを掴み店を出る。
「じゃあね、木崎。桜子」
「おう」
「ばぃばい♪」
…。はぁ。
ベクトルのプリントに取り組みつつ、頭の中はあの二人の事でいっぱいだった。
「伊崎!おまえ遅刻したうえに何でこんなに何も解いてないんだ?」
鬼教師が教室内を廻りながら突っかかる。
「いったい…おまえは何考えてる?もうセンターまで半年もないんだぞ!」
…何考えてるかなんて私が知りたいよ。
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