前にまゆに言われた言葉と似てる…
そう思った。

「…ごめん。分からない。文化祭の時はまだそんなに木崎の事、気にならなかったの。でも発表会の日からずっと会ってないから…ただ会いたいなって思うの。でも『好き』とかそういうのは分かんない」
私も俯いたまま告げた。話し終わった後ようやく顔をあげる。
「はぁー」木村君が突然顔を振ってため息をつく。長めのピアスとやや茶色の髪が揺れた。
「どうしたの?」私は思わず尋ねた。
「んー?こっちの話」それからこう付け足した。

「今のさくらちゃんの願い、近いうち叶うかもよ」

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