約束の日。
バイオリンに行く前の2時間を教室の近くのカフェで木村君と過ごす事になった。
「…なぁ聞いてる?」
「あ。うん!」
「なんかさくらちゃん…俺の話はぼーっと聞いてるのに木崎の話とかしてたらちゃんと聞いてくれるよね」木村君は伏し目で目の前のコーヒーカップを眺めながらそう言った。
「え!ちょ…そんな事ないよ」私はすぐに否定する。
「まぁいいや。無意識なん?でもなんか俺が見たところ、さくらちゃん木崎に惚れてる感じするんだけど?」木村君はやっとコーヒーから目を離し私を真っ直ぐに見つめた。
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