木崎がフリーであったという事へのまゆの喜びは次の瞬間、怒りに変化した。
「そっかぁー。あいつかなり生意気!彼女気取りしちゃってさぁ」ぶすーっと怒った顔をしても端正なまゆの顔は可愛さを残したままだ。
「はいはい。分かったから」
するとまゆはまじまじと私の顔をのぞき込んだ。
「ん?どうかした?」
「なーんか、さくら楽しそうってか幸せそぅな感じがして…あ!木崎君に惚れてた…とかー?」
「は?!」私はあからさまにイヤな顔をした。
(何でなっちゃんなのよ…)
でも。幸せそうな顔をしてた自分が少しだけ恥ずかしく思えた。
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