「まさか。」
悠紀は笑ったが葵は真剣だ。
『いーや、絶対だ。しかも大半が似合わねぇんだぜ?髪質が違うからな。水上みたいなストレートならいいけど、一ノ瀬みたいなのがやるとウネウネのもっさりキノコ頭だぜ!?』

…ひどい言い様だ。

『オレ、長い髪の女が好きなのによー』
はぁぁとため息をついた。

悠紀は目を丸くした。
「葵さん…好みのタイプとかあったのですね…。」

…心底驚いた感じである。

「ちょい待てや。その言い草はなんだ。」
葵は嫌な予感がした。

「いえ…浮いた噂を聞いたこともありませんから、てっきり本当に秋彦さんと付き合…」

「わー!!!!」
葵が叫び声を上げたその時。

「急に叫ぶな、葵。」
落ち着いた声がした。

振り向けばそこには…


「高!」
「高瀬さん…!」



「ただいま。」
高瀬は微かに笑って言った。

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