「…この事は他言無用です。」
悠紀はガードにキッパリと伝えた。

「…んじゃ、帰ろうぜ。ってもう9時か。」
葵は携帯を取り出して言う。

「高にも連絡しねぇと。宝は無事でしたよーって。」
カチカチとメールを打つ。

「…宝とは何ですか?と言いますか、葵さん達、どうしてここに?」
悠紀が不思議そうに問いかけた。

「ん?あーそうか。オレの宝探しさ、水上を見つけろっつーのがが最後の指令だったんよ。」
パチンと携帯を折り畳んだ。

「そんでさー見つけらんなかったら、廃棄とか書いてあるからさ、焦って高に連絡しちまったんだ。」
天窓から降ろされた縄梯子に手をかけながら言う。

「そしたらそしたらぁ、たーくん全然動じてないのぉ。自家用ジェットすっ飛ばしてでも帰ってくると思ったのにぃ」
上から羽衣が口を挟んだ。

「確かに拍子抜けしたな。すっ飛んで帰ってきて、逆にオレをフランスに吹っ飛ばすくらい、ぶっ飛ばされると思ってたからな…」
命拾いした…と葵は呟いた。

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