高瀬さんは、いつも頼られる側の私が頼る事の出来るたったひとりの人。
私はそれを手に入れたくて、夢中で、周りが見えなくなっていた。
私はただ“ライバル”じゃなくて“水上悠紀”として気持ちを伝えたかっただけ。
でも、そのせいで傷付いた人がいたなら…
私は責められて当然なのかもしれない。
個人的で、身勝手で、不純な理由で下剋上をしてしまった私は…
彼女に責められても何も言えない…。
私はいつだって自分のことばかりで、
人に優しくするときも、心のどこかでは“親切な自分”を認めてほしくて優しくしている…。
私は…汚い。
こんな自分は嫌なのに
…変われない。
真っ暗な闇の中。
微かな光を感じて、悠紀は目開けた。
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